現在の日本では、新型コロナウイルスのワクチン接種は進んでいますが、連日、全国で新型コロナウィルス感染症の新規感染が拡大していて、収束の見通しが見えない不安な状況下にあります。
政府は、これまでに変異株の感染拡大の防止を目的として、検疫の強化や入国の一時停止・制限などを行ってきましたが、新型コロナウイルスのワクチン接種等が進んでいることを理由に、8月中旬から、これまで1日当たり2,000人だった入国者数の上限を3,500人に緩和しました。これに伴い、国土交通省は現在、国際線を運航している日本の大手航空会社、海外の航空会社に対して搭乗者数の制限緩和の通知を行いました。その影響で、海外に赴任している駐在員などが帰国しやすい状況になることが想定されます。国交省は検疫を所管する厚生労働省と連携し、国際線を運航する航空会社に搭乗者数の制限を今年3月に要請していました。日本の大手航空会社は、国際線の1週間当たりの搭乗者数を1社当たり3,400人に抑えてきました。しかし、8月中旬からは6,100人ずつに緩和されました。海外の航空会社についても、搭乗者数は緩和されています。現在、日本の大手航空会社では、海外に赴任している駐在員などの帰国需要に応えるため、定期便に加えて地域により臨時便を運航している状況にあります。
今後、日本国民のワクチン接種が進むことにより、様々な制約が緩和されるかもしれません。しかし、接種率が若い世代などで十分に上がらないなどの問題が存在し、そのような場合には、現在のように緊急事態宣言が必要になることも十分にありえます。その中で、接種歴や検査の結果をもとに他人に感染させるリスクが低いことを示す仕組みを導入し、日常生活での制約を減らしていくことが重要な課題となるといえるでしょう。