緊急事態宣言が2週間の延長となり、OTIT(外国人技能実習機構)から監理団体・実習実施者へ、実習生の雇用維持や感染防止対策、生活支援策などを講じるよう周知されています。また、実習生の女性が妊娠などを理由に中絶や帰国を迫られるケースがあるとして、法務省・厚生労働省が、全国の監理団体・実習実施者に対し、結婚や妊娠を理由に違法な解雇や不当な待遇をしないよう、注意を促しています。婚姻や妊娠、出産などを理由として実習生を解雇その他不利益な取扱いをすることは、私生活の自由を不当に制限することとなり、認められていません。実習生に対しては、日本人と同様に民法・労働関係法令が適用されますので、もし、実習生に対する婚姻や妊娠などの禁止をする規定を設けている場合は、法に抵触することになります。
技能実習制度において、監理団体及び実習実施者は、技能実習の適正な実施及び実習生の保護に努める責任があります。万が一、上記のような不利益な取扱い、労働関係法令に関し不正又は著しく不当な行為をした場合、監理団体が適切に実習監理を行わない場合などは、実習計画の認定の取消や監理許可の取消など行政処分等の対象となります。この行政処分の対象となった場合は、欠格事由に該当し、向こう5年間、新規の実習生の受入れや監理事業を行うことはできませんのでご承知おきください。
外国人技能実習生への対応
上述のようなケースに遭遇した場合、まずは医療機関の受診をさせましょう。そのうえで、妊娠(婚姻・出産などを含む)を理由として解雇や強制帰国などが行われることはないという事を伝えてあげてください。また、妊娠した場合の休業制度や支援制度(出産育児一時金など)、母国語の相談窓口についてもあわせて案内をするとよいでしょう。監理団体・実習実施者ともに、日ごろから実習生の生活状況を把握するとともに、相談しやすい環境を作ることが大切となります。なお、妊娠・出産に伴い、実習を一時中断する場合の在留資格の取扱いについては、最寄りの地方出入国在留管理局に相談をしてください。