初めて実習生を受け入れる事業所では、不安な点が多数あるかと思いますが、今回はその中でも特に質問が多い「実習生の宿舎」について分かりやすくまとめました。宿舎を実習生の名義で契約することは難しいので、原則、受入れ企業が契約名義人となり宿舎を用意することになります。この宿舎については、外国人技能実習機構の規則で厳しく基準が定められており、それに合致したものでなくてはなりません。今回は、その中でも特に重要な基準を挙げていきます。
部屋の広さについて
原則、一部屋につき2名以下が居住し、かつ1人当たりの寝室床面積は、床の間・押入を除き4.5平方メートル(1人当たり3畳以上)が必要となります。LDKなどの共有部分については生活導線から区切られる場合に限り、寝室として利用可能となります。また、実習生の宿舎が労働基準法に規定する「寄宿舎」に該当する場合は、寄宿舎規則の届出等を行う必要があります
住宅設備について
実習生の宿舎を確保する場所は、「爆発物・可燃性ガス等を取扱い・貯蔵する場所」「高熱・ガス・蒸気・粉じんの発散等衛生上有害な作業場の付近」「騒音・振動の著しい場所、雪崩・土砂崩壊のおそれのある場所」「伝染病患者収容所・建物を取扱う場所の付近」を避けて選ばなくてはなりません。
食堂又は炊事場を設ける場合は、照明・換気を十分に行い、食器・炊事用器具を清潔に保管しなければなりません。また、宿舎内に利用し得るトイレ、洗面所、洗濯場、浴場のない場合には、当該施設を必ず設けなければなりません。
交代制の勤務などで、就眠時間を異にする2組以上の実習生がいる場合は、寝室を別にする必要があります。睡眠不足によるストレスや過労を防ぐための当然の措置といえるでしょう。
以上のように、実習生が日本で安心・安全に実習を行えるように外国人技能実習機構の規則で厳格に宿舎についての基準が設けられています。実習生の宿舎についてお悩みの方は一度、監理団体へ相談してみることをお勧めします。宿舎規則に合致した物件の紹介サービスなどを提供している監理団体も存在します。