以前の記事でもご紹介しましたが、ミャンマーでは2021年2月1日未明、クーデターが発生しました。そして、現在も民主化を求めるデモ隊と国軍をはじめとする治安部隊との間で激しい衝突・闘争が繰り広げられています。
法務省は、ミャンマー情勢が不安定な状態に置かれていることを踏まえて、日本への在留を希望するミャンマー人に対し、緊急避難措置として在留期間の満了後も「特定活動」の在留資格を付与し、最長で1年間の在留や就労を認めると発表しました。また、難民認定を申請している場合については、迅速に審査を開始し、難民申請が認められない結果であっても、在留や就労を認めるとの方針を表明しています。日本では、2021年3月末時点で約3千人のミャンマー人が難民認定の手続きを進めている現状となっています。そして、この措置は、現地の情勢が改善しないと法務省が判断する場合には、再延長も可能となっています。
2020年の時点で日本にいるミャンマー人は、技能実習生や留学生ら約3万5千人となります。今回の特例措置で、日本に在留しているミャンマー人が、在留資格「特定技能」への変更を希望する場合、必要な技能を身につけるための期間として、1年間の在留と就労が可能となります。また、技能実習生として入国はしたが、実習先から失踪者した場合についても、6カ月間の在留と週28時間以内の就労を認めるとのことです。
今回の特例措置により、ミャンマー人の技能実習生を受け入れている企業は、選択肢が増えるはずです。ミャンマー人が、将来を見据え、個々に適した選択を行えるように、制度をしっかりと説明し、全面的にバックアップしていきましょう。