外国人技能実習生 社会保険への加入について⑥

2021年7月25日

日本に在留している外国人技能実習生が、社会保険の適用事業所で実習を行っている場合、 社会保険制度に加入する必要があります。今回は、この社会保険制度のうち、労働保険「雇用保険」の部分についてご紹介していきます。

雇用保険

労働保険とは、それぞれ別個の制度の「労働者災害補償保険(労災保険)」と「雇用保険」を合わせた総称です。今回、ご紹介する雇用保険制度とは、労働者が失業した場合、雇用の継続が困難になった場合等に、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに再就職の援助を行うことなどを目的とした雇用に関する総合的な機能をもった制度となっています。雇用保険においては、労働者を雇用する事業は、その業種、規模等を問わず、すべて適用事業となるので、労働者を一人でも雇っていれば、雇用保険の加入手続が必要となり技能実習生に対しても適用の対象となります。(ただし、農林水産業の一部は任意適用)

当然に雇用保険の適用を受けるので、適用事業に雇用される労働者は雇用保険の被保険者となり、事業主は、労働保険料の納付、雇用保険法の規定による各種の届出等の義務を負うこととなります。雇用保険料は、労働者に支払う賃金の総額に対して雇用保険料率を乗じて計算されることになります。事業主は、雇用保険法に基づき、適用基準を満たす労働者について、事業主や労働者の意思に関係なく、被保険者となった旨を公共職業安定所(以下、ハローワーク)に届け出なくてはなりません。この被保険者資格取得の届出が適正になされていないと、労働者が失業した場合などに支給される給付について、不利益を被る事態を生じることがあります。事業主の方は、このような事態を生じさせないよう、新たに労働者を雇い入れた場合には、雇用保険の被保険者資格取得の届出を事業所の所在地を管轄するハローワークに必ず行ってください。

これまでの記事で、技能実習生が適用になる社会保険制度についてまとめてきました。すべての労働者が、安心・安全な職場環境で業務に取り組んでもらうために、事業主は各種保険制度に加入しなければなりません。さらに技能実習生を受け入れるためには、適切な社会保険制度への加入が必要となりますので、事業主は十分に理解をするように努めましょう。

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