年次有給休暇の取得について~前編~

2021年4月25日

労働基準法では、継続して6月以上勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、年次有給休暇を与えなければならないと定められています。また、 年10 日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対しては、その内、年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務づけられています。

これは、技能実習生についても例外ではなく、1号、2号生は「講習」終了後から起算、3号生では、再入国時から起算して6か月となります。ですので、実習生から請求があったにもかかわらず、付与しない、年間5日以上与えていないといった場合は労働基準法違反かつ技能実習法第16条違反となります。なお、年次有給休暇を請求・取得した労働者に対して、賃金の減額その他の不利益な取扱いをしてはなりません。

この年次有給休暇を与えるという義務は、実習実施者により確実に履行される必要があります。また、監理団体もそのことを監査の際に確認し、問題があれば必要な指導を行うことが責務とされています。しかしながら、一部の実習実施者においては年次有給休暇制度を不適切に運用している、監理団体側も適切な対応を行っていないという実態が数多く報告されており、大変問題視されています。

例を挙げると、下記のような相談が実習生から寄せられています。
・実習実施者に有給休暇を請求したが、取り合ってもらえない。
・監理団体に年次有給休暇が取得できない等の相談をしたが放置された。相談後、有給休暇の請求を行わないように交渉された。

これは、監理団体の責務を踏まえれば、大変問題のある行動となります。実習生、実習実施者と事実関係をしっかりと確認のうえ、実習実施者に対し必要な指導等を行わなければなりません。次回に続きます。

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