今回は、外国人技能実習制度「農業」職種について、紹介していきます。まず前提として、農業という職種は、私たちへ食料を供給してくれるとても重要な職種です。その重要さゆえに農地法等の法律によって農業・農地は保護されています。しかし、日本の農業の現場は、現在とても深刻な人手不足に悩まされています。近頃よくテレビなどでも、コロナ禍の影響で実習生が入国できず、人手不足の農家が悲鳴をあげているなんていうニュースを耳にしますよね。
ここで確認なのですが、技能実習制度の本来の目的は、日本の先進国としての技術や知識等を発展途上国へ伝えることなので、実習生は「労働者」ではなく「技能実習生」という特別な位置づけになっているということです。この事は、前々から筆者の記事に書いてあります。
それを踏まえて、記事を読んでいただきたいのですが、上述した通り、日本の農業の現場は、現在とても深刻な労働力不足に陥っています。そのため事業所では、実習生を受け入れることにより、事業の経営が成り立っている事実があることは否定できないのです。制度本来の目的と事業所の状態が、合致していないと行政から指摘される部分も多々ありますが、実習生を労働者として活用せざるを得ない現状があるのも、また事実だと筆者は感じています。
そういった事情を踏まえつつ、今回は、技能実習制度「農業」職種の紹介をしたいと思います。農業職種は主に2つの職種に大別されます。
耕種農業
主に田畑を耕して栽培を行う農作業が対象となります。具体的には、次の3つの作業に分類されます。
・施設園芸 (温室やビニールハウス等の施設を利用して行う園芸作物の栽培作業)
・畑作、野菜 (畑・露地で行う作物を組み合わせた周年栽培作業)
・果樹(果樹園『温室等の施設利用を含む』を利用して行う果樹『その果実が食用に供される永年作物』の周年栽培作業)
畜産農業
動物を育てて畜産物を得る畜産農業が対象となります。具体的には、次の3つの作業に分類されます。
・養豚(豚を家畜として飼養する作業で繁殖作業、育成作業、肥育作業を含む)
・養鶏(採卵鶏『うずら、アヒル等は除く』の飼養及び採卵作業)
・酪農(乳牛『将来の搾乳を目的とする子牛を含む)』の飼養及び牛乳の生産作業)