これまでにもご紹介してきた通り、 日本に在住している外国人技能実習生が、 社会保険の適用事業所で実習を行っている場合には、 社会保険に加入する必要があります。今回は、この社会保険のうち「労働保険」と一般的に呼称されている制度についてご紹介していきます。
労働保険
日本の社会保険制度(広義)には、「健康保険」と「年金保険」があります。それに加えて、「労働保険」と一般的に呼ばれている保険制度が存在しています。この労働保険とは、それぞれ個別の制度の「労災保険(労働者災害補償保険)」と「雇用保険」を合わせた総称です。労働保険は、労働者の雇用や生活を保護するために定められた公的な制度になっています。
事業所において、労働者(技能実習生、パートタイマー、アルバイト含む)を1人でも雇用している場合、業種・規模の如何を問わず労働保険の適用事業となります。適用事業所は、速やかに労働保険への加入手続を行い、労働保険料を納付しする義務が発生します。ただし、農林水産の一部の事業は除かれます。労働保険に加入すると、事業所ごとに番号が割り振られ、事業種類によって定められた保険料率に基づいて保険料を納めることとなります。
なお、労働保険徴収法によって、「労働保険料(労災保険料と雇用保険料)」として、原則的に一括徴収を行う運用となっています。労働保険料は毎年6月1日から翌7月10日までに、事業所が算定期間内の給与をもとに、確定保険料と概算保険料を算定・申告し、まとめて前払いをします。厚生労働省では、毎年11月を「労働保険適用促進強化期間」と定め、集中的に労働保険適用促進活動を展開しています。次回以降は、この労働保険制度についてさらに詳しくご紹介していきます。