2021年2月1日未明、ミャンマー現地にて、国軍が国民民主連盟(NLD)を率いクーデターを起こしました。その結果、ミャンマー民主化の象徴とされる「アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相」は拘束されることとなりました。ミャンマーでは、今もなお、民主化を求めるデモ隊と国軍をはじめとする治安部隊との間で激しい衝突・闘争が繰り広げられています。このクーデーターにより、推定でも700人以上(2021年4月20日現在)が死亡したと報じられています。
出入国在留管理庁の統計によると、技能実習生として日本に滞在するミャンマー人は、約1万4,000人となっています。これは、ミャンマーで民政移管が実現した2011年と比べ、およそ100倍の数値となっています。今回のクーデターの影響で、ミャンマーからの実習生の受入れについて、今後どのような影響があるのでしょうか。
ミャンマーの送出し機関からの連絡
クーデター発生後の3月中旬、筆者のもとへ、ミャンマーの送出し機関の職員の方から連絡が来ました。その職員の方に、実習生についての影響を尋ねたところ、現時点では、業務に大きな影響は出ていないが、今後、全く影響がないとは一概には言えないとの回答をいただきました。現地の労働省は、平常通り開いており、実習生の書類申請なども受付しているそうです。なお、在ミャンマー日本大使館では、ビザ申請を一時停止しています。これは、クーデーターの影響によるものではなく、新型コロナウイルス感染症の水際対策として、日本側が一時停止の措置を継続しているためです。
今回のクーデターの影響で日本に在留しているミャンマーの実習生は、とても不安定な環境下に置かれることとなります。監理団体、実習先の企業において、実習生のメンタルケアなどを定期的に行うことなどが、日本にいる私たちにできる最大の支援となることでしょう。