外国人技能実習生は、受入企業へ配属となる前に、日本へ入国後、一定時間数の教育(入国後講習)を受講することが法令で義務付けられています。講習の内容としては、日本語の学習、日本での生活一般に関する知識、出入国又は労働に関する法令知識、技能等の修得に資する知識と法令で定められています。万が一、入国後講習を実施せずに技能実習の業務等へ従事させてしまった場合は、監理団体へ対して許可取消しなどの厳しい処分等が下されることとなりますので法令はしっかりと守りましょう。なお、講習期間中に受入企業の工場生産ライン等を見学することは可能ですが、それ以外の活動は認められていません。また、機械操作教育や安全衛生教育は、講習とは別に受入企業において、技能修得のための活動として実施しなければなりません。
研修センター等の利用
受入企業と実習生の雇用契約は、入国後講習の受講後に発効します。ですので、実習生が日本での新しい生活に早く慣れ、安心して実習生活が送ることができるように、監理団体は、学習に専念できる環境作りに努めなければなりません。なお、講習については、規則上、「他の適切な者に委託」して実施することが可能です。監理団体が主体となりますが、東北外国人研修センター(宮城県仙台市)等に委託することも可能です。
筆者は、過去に東北外国人研修センターを見学させていただきましたが、日本語の学習を含め、日常生活がスムーズに行えるように手厚いサポートを施している施設であると感じました。講習の時点では、実習生一人ひとりの日本語レベルが異なっています。言語による支障をできる限りなくし、講習がスムーズに行えるよう柔軟に対応している印象を受けました。また、日本語の学習に加え、依頼があれば、各受入企業先で使用している専門用語等を学習することが可能となっています。
実習生がどのような講習を受講しているのか、実習生の体調や生活等を気にかけて、期間中に私物や食材等を差し入れしている受入企業も見受けられました。このように、日々、実習生とのコミュニケーションを図ることで、実習生との信頼関係を構築することができ、充実した3年間を過ごすことができるようになるのです。