日本政府は、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、2020年10月1日より、海外からの入国制限を順次緩和するとの方針を決定しました。これは、菅内閣として海外に対する初の新型コロナウィルス感染症対策となります。
現在は、新型コロナウィルス感染症の水際対策として159か国・地域からの外国人の入国を原則拒否しています。感染状況が落ち着いている16か国・地域とは協議を行っており、9月にはベトナムやタイなどの8か国・地域と合意し、ビジネス関係者に限って入国を認めてきました。
今回の決定では、これに加えて世界各国・地域からの新規入国についても一定の要件を課したうえで、留学生や家族滞在なども緩和の対象となっているのです。(観光客を除く)日本人外国人を問わず、検査を徹底的に行ったうえで、可能な限り往来を再開していく方針であると打ち立てました。それぞれの国のニーズの高いものから進めていき、入国可能人数としては、1日1000人程度を上限と見込んでいるとのことでした。
入国緩和の時期としては、各国の感染状況を吟味し、2国間で交渉を進め、お互いに合意できれば入国制限緩和がスタートとなります。10月以降、順次開始していくということですので、一遍に対象の国・地域を同時進行するという分けにはいかないようです。
経済再開のためには、国際的な人の往来の再開が不可欠となります。しかし、感染症の専門家からは懸念する声も出ています。日本では連日、各地でクラスターが発生し、一定数以上の新規感染者が増加しているので、この政策は慎重にやらなければなりません。入国人数の上限を設定しながら防疫措置を取り、出国前の検査証明や入国後の14日間の自宅待機などのルールを今一度、整備し、しっかりとした枠組みを構築しなければならないと筆者は感じます。