前回の記事でも紹介した通り、日本に在住している外国人技能実習生の方でかつ社会保険の適用事業所で就労している場合は、公的年金制度(広義の社会保険)に加入する必要があります。今回は、この公的年金制度の一部について詳しく紹介していきます。
健康保険
健康保険は、被保険者(民間企業の労働者等)の業務外での事由による疾病、負傷、死亡または出産に対して保険給付を行い、併せてその扶養者の疾病、負傷、死亡または出産について保険給付を行い、生活を安定させることを目的とした社会保険制度です。また、健康保険でいう業務外とは、労災保険から給付がある業務災害以外を指します。なお、被保険者には日雇特例被保険者を含みます。
健康保険は、一部の事業所を除いて、強制適用事業所となっており、適用事業所に雇用されている75歳未満の方(従業員等)は、国籍・性別・年齢などに関係なく、一定の方を除いて、すべて被保険者となります。したがって、適用事業所で実習を行っている外国人技能実習生は健康保険に加入しなければならないのです。
健康保険には、全国健康保険協会の「協会けんぽ」、健康保険組合が運営する「組合健保」があります。保険料の負担については、加入先の保険や技能実習生の賃金によって異なっています。被保険者である期間中は毎月ごとに徴収され、保険料は事業主と技能実習生とで折半することになります。技能実習生は入国後講習が終了し、実習が始まる日から、健康保険加入の資格を取得することが可能となりますので、協会けんぽの場合は、管轄の年金事務所等へ、組合健保の場合は対象の健康保険組合へと、監理団体・実習実施者は速やかに手続きを行うようにしましょう。